~理事長メッセージ~
【はじめに】
小松島青年会議所はこれまで多くの活動、運動を通じて小松島市、勝浦町、上勝町とともに歩んで参りました。歴代理事長をはじめとする諸先輩方が紡いでいただいた小松島青年会議所も2023年度には60周年を迎えることとなります。60年という長い歴史を歩んできましたが、地域も青年会議所の在り方も変化しています。
現在、我々の住み暮らす地域では少子高齢化、人口減少や経済の低迷など多くの問題を抱えております。また、近年では新型コロナウィルスの影響により我々を取り巻く環境が変化し、地域の様々な社会課題が変化していくなかで社会の課題を解決していく青年会議所の在り方も変化せざるを得ない状況となっています。地域の人口減少に伴い成年人口も減少しており、青年会議所を含む青年団体の会員数減少は持続可能な組織作りをしていくうえで喫緊の課題と考えています。
多くの問題がある中で私は「青年会議所は地域を良くしていく団体」であることが地域から求められ、会員に対しては「成長と発展の機会を提供する団体」であることが求められていると考えます。2022年度には他団体との連携も図り、会員数が少ない中でも事業構築ができるような仕組みを会員一同で構築されました。2023年度はよりその連携を強化するとともに、会員を増加させることと一人ひとりの発展と成長の機会を提供しスキルアップを行い、またモチベーションを向上させることによって小松島青年会議所という団体をさらに強化し、事業を通して地域から必要とされる団体になることを目指します。また「志を同じうするもの相集い力を合わせ、青年としての英知と勇気と情熱を持って明るい豊かな社会を築き上げよう」という綱領の一文の通り、各会員が同じ志を持ち、地域に貢献できる組織作りをすることが、地域から求められる組織の第一歩と考え、地域にとって会員にとって必要とされる組織を形成します。「明るい豊かな社会」とは個々が明るい豊かな社会を実現したいという志を持った状態のことだと考えます。まずは小松島青年会議所の会員が同じ志を持ち、一致団結して活動を行うことが明るい豊かな社会の実現に繋がると確信しております。
2023年度は60周年という一つの節目にあたる変化の年にしたいと考えています。先輩方が紡いできた素晴らしい伝統は守っていくべきだと思いますが、青年会議所活動の中で「今まで○○だったから」という理由で変革ができなかった部分は多々あると思います。時代と共に社会課題も変わり、それにつれて青年会議所の在り方も変わっていきます。向こう10年を見据えて、2023年度は組織を時代に合わせて改革し変化することで次代へ繋げられる礎と基盤を構築します。
【組織のアップデート】
青年会議所とは、青年にあらゆる機会を提供することで「より良い変化をもたらす力」を養成する団体です。そしてそのためのアウトプットの場が事業・会議・組織運営などの青年会議所活動です。このような想いが時代を超えて受け継がれてきたからこそ、今日の青年会議所ちおう団体が存在するのであり、それは次代に向けても守り続けていくべきだと考えています。
その一方で、それを実現するための手段は、時代に即した形へと常に変えていかなければいけません。「より良い変化をもたらす力」を養成する団体であり続ける事は大切ですが、「より良い変化」の定義は次代と共に変化します。日々刻刻と変化する社会環境により即した形へ、会員一丸となってより良く、そして楽しみながら変化させていきましょう。
まず組織のアップデートの第一歩として会議棟のDX化の推進を行います。新型コロナウィルスの影響によりWeb会議は増えましたが、現代のツールやテクノロジーが急速に変化する中で、これらのツールを余すことなく青年会議所活動に取り入れることはできていない状況です。青年会議所を次代へ繋いでいくうえで、時代とともに我々の会議運営の形も変えていく必要があり、これらの新しいツールを適切に使う力を養うことでPCスキルが向上、作業効率化を図ることができ会員一人ひとりの成長にもつながります。積極的に委員会や理事会などの会議運営にDX化を取り入れ、会議運営の簡素化、作業の効率化を図り、これからの時代に合った組織運営の基盤を構築していきます。
その効果測定も重要です。新たな仕組みを運用しながらも「効果的に作用しているかどうか」という問いと向き合い続け、良い形で翌年度に引継ぎできるよう密に情報交換していきましょう。
【持続可能な団体の創造】
街をより良く活動を継続していくためには、青年会議所が持続可能な団体であることが必要です。
昨今では会員減少と共に、運営に際しての一人当たりの負荷は年々増加しています。しかし、この問題は会員拡大のみならず生産性を高めることによっても解決できる問題であると私は考えています。60周年という節目を機に、青年会議所の理念や目的を追求することにあまり寄与しない活動や仕組みは極力削減し、まちへの大きなインパクトと会員の成長機会を生み出せる体制へシフトすることで、少人数でも持続可能な組織へと変革していきましょう
また一人当たりの負荷が増加していることは悪いことばかりではありません。負荷が増加しているということは、事業を行ううえで、一人ひとりが責任感を持って事業を行うこととなります。それは青年会議所活動を行ううえでのやりがいが高まるきっかけになるのではないのでしょうか。私たち青年経済人が青年会議所活動に割ける限られた時間を「まちに貢献できている」「自らの成長に繋がっている」と実感できるような時間で埋め尽くすことで、より情熱的に活動できる組織になると確信しています。
会員数が少ない中でも生産性を上げることや、外部団体と連携するなどの様々な手法を用いて事業を構築することは可能ではありますが、やはり会員拡大を行うことのメリットも大きくあります。会員数が増えることにより、会議の中でも多種多様な意見が出る様になり、また会員の成長の機会がたくさん提供できることにより、青年会議所活動がより有意義で価値のあるものとなり、地域の問題解決を行うことで地域社会がより良くなっていきます。
青年会議所の理念や活動に共感できる同志を増やしていくためには、まずは私たちの活動の魅力を知ってもらい、そこに共感してもらう必要があります。情熱的に活動している人々のもとには、おのずと情熱的な人が集まります。そのような意欲的な仲間を増やしていくべく、私たちの活動の場に時代を牽引するリーダーの卵を一人でも連れて来られるよう共に汗をかいて行きましょう。
【中長期ビジョンの策定】
私は2021年に小松島青年会議所に入会し、Creed、Mission、Vission、宣言文、綱領から青年会議所が「明るい豊かな社会を築き上げる団体」であることを学びました。しかしながら青年会議所という団体そのものの方針や政策が記されているだけで、小松島青年会議所が目指す姿などは現状、毎年の理事長所信で決まっている状況です。
青年会議所活動は単年度制でその時々の課題に合わせて変えられるというメリットがあります。しかしながら単発の事業を行い実績が積みあがっていかないと毎回の事業の良し悪しだけで社会に与える影響が単発的に終わってしまい、持続的に社会に対してインパクトを与えていくことができません。地域の帰るべきポイントをピックアップし、手法は毎年違う内容だったとしても持続的に同じ課題に対し事業を行うことが地域に与えるインパクトがさらに大きくなっていき、より良い状態を目指していくことができると考えます。
まず活動エリアである小松島市の「人口問題」「経済問題」をメインに中長期ビジョンの策定を行います。小松島市では1951年に市制施工され当時は四国の玄関口として港を中心に栄えていた街でした。しかしながら人口は1985年の約4.4万人をピークに毎年減少しており、小松島市の商店数は1982年に892店舗あった数が2017年には361店舗と半数以下に減少しています。我々、青年経済人が組織を上げて同じ課題に取り組むことにより、地域に与えるインパクトは大きくなり、小松島青年会議所が地域にとって必要な団体となることを確信しております。
そして中長期ビジョンを策定することにより小松島青年会議所がより一致団結して、会員が同じ方向に向かって行けるようになり、会員にとって地域住民にとって小松島青年会議所が必要とされる団体となることを目標にします。
【終わりに】
持続可能な団体を創っていくうえで、2023年度は一つの節目の年です。これまでの小松島青年会議所が歩んできた歴史や軌跡を次の世代へ引継ぎ、これからの小松島青年会議所としての基盤をしっかりと築くことが2023年度の小松島青年会議所が行う最重要の仕事だと考えます。
2023年度は「Re-start 新生 ~個が輝き共に成長し紡ぐ未来へ~」の基本理念のもと、会員一同が力を合わせ団結し、新たな青年会議所の在り方を確立することが持続可能な団体の実現に繋がると確信しております。
2023年度 第61代 理事長
高畠 健一